迷走 -2-朋章は容器を強引に征司の中に差し込み、容赦なく液を注入した。 「や、やめろ!」 身をよじる征司に、押さえ込む二人の力が強まる。動かせない征司の身体で筋肉だけが緊張していた。 「なっ、なんてことっ」 腹の中に注がれた違和感に、息も荒く征司が罵る。目に涙が浮かびかけていた。朋章の手が尻の割れ目をなぞった。 「これって、どれくらいで効くの?」 「さあ。人によるんじゃない」 「押さえてるの、けっこう大変なんだけど。このお兄さん、全然諦めないね」 「バカッ。離せ。ガキのくせに! クソガキ、離せよッ、離せ」 悪態をつき続けた征司の身体がふいにブルリと震えた。腹の中に兆候が生まれたのだ。膝が折れかけ爪先に力をこめて、ぎゅっと拳を握り込む。 「あ、きたみたい」 和樹の言葉に征司はうなだれた首を振った。 「ちがう…」 かすれた声で否定する。意志を裏切って足が震えていた。堪えようと短い息を吐き出していたが、すぐに切羽詰った顔を振り上げた。 「で、出るっ。頼むから、トイレ」 悲鳴混じりの征司の懇願に、和樹が朋章を窺った。 「どうすんだよ? ここでさせちゃう?」 「トイレに連れてくよ」 トイレまでのわずかな距離が征司には耐え難く感じたが、足に力の入らない征司を抱えるようにして運んだ三人にとってもそれは同様だったかもしれない。征司を便座に坐らせて、朋章は宥めるように肩を撫でた。宏信と和樹も開け放したドアから半身を入れている。 「出てけ」 涙目で睨みつけても、逃げられることを恐れている三人はそれぞれに征司の身体に触れたまま離れようとしない。 三人の環視の中で排泄することに耐えかねた征司の目から涙が溢れ出した。 「出てけよ、バカ、出てってくれ」 小刻みに足を揺らして何度もその波を見送った。だがやがて限界がやってきた。 「はああぁ、も…うダメだ…っ」 切ない声とともに、ついに征司の中から便の混じった液体が排出された。充満する臭気に征司は屈辱の嗚咽を洩らした。 「あんまり出ないね。こんなもんなのかな」 征司の片足をあげさせ、便器の中を覗き込んで朋章が呟く。すぐにウォシュレットのスイッチを入れて征司を洗った後、水を流した。 「もう、もう止せ」 顔を覆ってしゃくりあげ始めた征司の手首をつかみ、宏信が立たせた。 「もう一回、風呂場に連れてこ」 「もう許してくれ。…頼む、頼みます。許してくださいっ」 自棄になったように叫ぶ征司の言葉に、朋章が肩をすくめる。 「困ったなあ。征司くん、まだ始まってもいないじゃん」 下肢に力が入らないらしく、簡単に崩れ落ちそうな征司は再び浴室に連れ込まれた。 空になった容器を使って今度はぬるま湯を注入される。 「あああ、よせ…」 「一回出したんだから、今度はここでさせちゃおうよ」 トイレに引きずって行くのを億劫がる和樹に宏信が重ねて言った。 「面倒だから指入れて洗ってやればいいんだよ。朋章、できるだろ?」 朋章はわずかに眉をひそめた。 「大丈夫かなあ?」 「指くらい平気だって。どうせおまえの入れる気なんだろ? 慣らすしかないじゃん」 「いやだ」とくり返す征司を無視して、三人は浴室の床に四つん這いの恰好を取らせた。 朋章が左の掌にたっぷりと取ったボディーソープを、右手の中指にこすりつけると、右側を押さえている和樹が征司の戒めには足を使い、自由になった両手で双丘を割り開き、肛門を剥き出しにした。 「いやだあッ」 羞恥に苛まれ、全身を朱に染めて征司が暴れる。注入されたお湯を洩らすまいとして固く閉じている箇所に、朋章の指が侵入していく。 「や、や、いやだ」 必死で抗う征司を朋章は叱りつけた。 「力、抜いてってば、征司くん。わざと痛い思いすることないだろうッ!」 「そ、そんな、ちが、あ、や…」 ゆっくりと侵入してくる指に征司は身も世もなく身をよじる。 「で、出る。さっきの、出ちゃうから」 「いいよ、ここで出して」 征司の訴えに朋章はあっさりと先端しか入っていなかった指を引き抜いた。 「あぅっ」 その拍子にわずかに体内からお湯を滲ませたものの、征司は頑なに歯を食いしばって堪えようとした。こんなところで洩らすわけにはいかない。震える身体を必死に抑える。 「かー、もう、めんどくせえな。そんなんじゃ俺がやってやるよ」 焦れた宏信が征司の足に手をかけた。 「和樹、仰向けに寝かせて、足開かせろ」 朋章がその腕をつかんで制止した。 「ダメだよ。征司くんは俺のだ」 「朋章がとろくせえからだろ。大丈夫だよ、ハメるのはちゃんとお前にやらせるから」 「ダメだ」 朋章が宏信の腕をつかんだ手に力をこめて睨むと、宏信は舌打ちした。 「あー、もう! だったら遠慮しいしいやってんじゃねえよ。どうせやるんだからおんなじなの! ちゃんとイイ気持ちにさせてやるほうが親切だろ」 そうハッパをかけられて朋章は意を決したように征司の中にぐっと指を挿入した。 「はうッ!」 同時にボディソープの残る左手で征司のペニスを包み、刺激を与え始める。水を加えていないボディソープはたいして泡立たず、ヌルヌルと征司のペニスにまとわりついた。 「やめ、や…」 前後からの刺激にすぐに征司の形相が変わった。 「洩れる、洩れちゃうか…ら、やめ…」 「洩らしちまえ」 途切れ途切れの懇願を無視して、宏信が意地悪く征司の下腹を押した。いきなりの仕打ちに征司の身体が一瞬跳ね上がる。 「はぁ…ああ」 涙が征司の頬を伝い、音を立てて泡混じりの液体が下半身から溢れ出た。その泡は征司の中に指を入れている朋章の右手を覆って流れ落ちた。朋章はそれに頓着せず征司を責める手を緩めなかった。ほとんど空になったと思える中を突き入れた指で何度もこね回す。刺激に征司のペニスが反り返った。 「ああっ、あ」 「おー、うまい、うまい、朋章。やればできるじゃん。すっげー色っぽい声出し始めたよ、お兄さん」 宏信の揶揄に征司は唇を噛みしめた。ふっふっと鼻から息を吐き出しながら声を堪えている。 「まーったく、頑固だな、この人。苛めたくなっちゃうだろ」 宏信の手が征司の胸に伸びた。立ち上がっていた乳首を指の腹で刺激する。 「くっ。ふ…、う」 「ほら、和樹も協力してやれって」 宏信に促された和樹は首を振った。 「俺、男相手に何やっていいか、わかんねえもん」 「試しになんでもしちゃえばいいんだよ」 言いながら宏信は征司の臍に指を押しつけてグリグリと回した。 「…っ! いやだあ」 悪ノリを始めた宏信と対照的に和樹は困惑したような半端な笑みを朋章に向けた。 「て、いうかさ、朋章、ここでやっちゃうわけ?」 「いや、ここは狭いし。やっぱり俺の部屋がいい」 「こだわるんだな。じゃ、いったん洗い流してやるか」 シャワーの湯を浴びせられながら征司は三人の手で全身を撫で回された。最後にヘッドを外したシャワーの先を朋章の指で弄られていた後ろに突っ込まれ中を洗われて、征司はすすり泣いた。 「俺たちまでビショビショになっちゃったじゃん。どうするよ?」 「脱ぐしかないよな。本当言っちゃうとさ、俺、けっこう興奮してんだけど」 「俺も。朋章、俺たちにも後でやらしてくれる? …わけ、ないよな」 冗談めかして言いかけた宏信は、朋章にきつく睨まれて「はーあ」とわざとらしいため息をついた。三人は交替で征司を押さえながら服を浴室に脱ぎ捨てた。朋章だけでなく宏信と和樹の性器も形を変えていた。 「そういえば、ラブローションとかそういうの、買えなかったんだけど」 涙を流しながら力ない形ばかりの抵抗をしつこくくり返す征司を、バスタオルで拭きながら、和樹が言い出した。 「ええ?」 「買えないって、俺。いくら何でも」 困った顔で言い訳する和樹に、朋章は唇をとがらせた。 「だって、何もなくっちゃ征司くん、無理だよ」 「油でも使えよ。食いモンなら大丈夫なんじゃねえの?」 口を挟んだ宏信をチラリと見て、朋章は湿っている征司の髪を撫でた。 「コンロの上の棚」 「ちっ、顎で使いやがる」 舌打ちしつつも宏信は素直にキッチンに向かった。 朋章と和樹は、征司を今度は二階の朋章の部屋まで連れて行って、ベッドの上に仰向けに横たえた。シーツが何枚も重ねられて準備されていたことがわかる。ヘッドボード側に坐った和樹が太腿の上に征司の上半身を抱え込んだ。 足元から近づく朋章を征司が怯えた目で窺った。 「そんな顔しないでよ」 「いやだよ。朋章、頼むから、いやだ」 力での抵抗に絶望して、首を振り懇願する征司を朋章はすっと細めた目で見つめた。涙を滲ませた征司の顔は色気を湛えて逆に誘われているようだった。 「でも、感じてるでしょ?」 朋章の手が征司のペニスを柔かくなぞった。湿った陰毛を指に絡める。 「何がいいんだかわかんないから、とりあえずオリーブオイルにした」 キッチンから戻って来た宏信は「胡麻油じゃマズイだろ」とふざけながら、蓋を開けた瓶を朋章に手渡し、征司の足を抱えて押し広げるのを手伝う。無防備に晒された箇所に朋章がオイルを塗り込め始めた。浴室ですでに十分すぎるほど弄られていたそこは抵抗なく朋章の指を飲み込んだ。 「う、うう…」 溢れるほどにオイルを垂らされて、朋章の指が蠢くたびに征司の中でクチュクチュと音がした。 「や、いやだ、出る、トイレ」 羞恥にうるんだ瞳で、征司がせがむが、朋章は無情に首を振った。 「気のせいだよ、征司くん。さっき空っぽにしたじゃん。キレイにしたんだから、俺、舐められるくらいだよ」 言いながら朋章の顔が征司の下半身に近づく。指を差し込んだ脇からふうっと息を吹きかけられて、征司は「はっ」と短く息を飲んだ。朋章は征司の反応に喉の奥で笑い、舌を出してペニスの裏側を舐め上げると、そのまま先端からくわえ込んだ。 「あっ、あああ」 「うは、朋章、そこまでする?」 宏信の茶化す声に応えず、征司の中に入れた指を動かしながら、口でペニスを責め立てた。 「あ、あ、あ、や、」 両方からの刺激に堪え切れなくなった征司の腰がみだらに動き始めた。 「ダメ…ッ、ダメ、ダメだぁッ!」 悲鳴をあげても、和樹に抱え込まれた上に宏信の手で抑えつけられている身体は少しも動かせない。腰だけを振りたてて征司は乱れた。 「やめろ! 離せよ、離せ。あ、ハァッ…ダメだッ」 逃れようと身悶えすればするほど、それが刺激となって征司を追いつめた。朋章の熱い口内と関節さえ感じられるような指と。征司は追い立てられているのが、前なのか後ろなのかわからなくなっていた。 「んっ、ふ、んん、んー!」 背をのけぞらせて、一際高い声を放った後、征司の身体ががくりと弛緩した。ハアハアと肩で荒い息をしている。 征司から口を離した朋章の喉が上下するのを見て、和樹が呆れたように訊ねた。 「朋章、まさかこの人の飲んじゃったの?」 その和樹に薄く笑ってみせ、朋章は再びオイルを注ぎ足しながら、征司の後ろを慣らし始めた。二本の指を回すようにして広げていく。 「は…、やめろ」 一度放ってしまった征司は力なく制止の声を上げるだけだった。すぐにゾクゾクするような快感が背筋を這い上がってくる。 「ああ、ああ」 「征司くん、すごく色っぽいよ。俺、もう我慢できない」 朋章が指を抜くと征司の後ろはプチュプチュと小さな音を立てた。 「朋章の、指何本分?」 宏信にからかわれながら、朋章はすっかり勃ち上がっている自分のペニスにもオイルを塗りたくった。 「足、ちゃんと抱えててやって」 そう和樹と宏信に声をかけ、征司の腰を両手で持ち上げる。 「やめろよー!!」 振り絞るような征司の制止を無視して、朋章は押し当てたペニスをぐっと中に突き入れた。 「あ…ああああ!!!」 指で嬲られていたそこに、圧倒的な質感で侵入してくるものに、征司は絶叫した。 「いやだっ! いやだっ!」 狂ったように身体を反らせて逃げようとする。 「わっ! ちょっと危ない」 「ちゃんと、ちゃんと押さえててっ」 「足をしっかり広げさせろ」 「はあああぁ、やだー、やだっ」 三人がかりで、朋章のペニスは征司の中に納められた。征司を囲い込むように押さえて、三人は少し息をついた。 「ふ、う、うう」 征司は朋章に貫かれたまま涙を零していた。 「すっげーマジで入っちゃったな」 「どうすんの?」 「どうすんのって、俺、このままっていうのは、ちょっと」 和樹に訊かれて、朋章は唇をへの字にして征司のまなじりの涙を吸い取った。 「ごめん、征司くん」 囁き、繋がった腰をゆっくりと揺さぶり始める。 「ひっ、やあ、や、裂ける、裂けっ…んっ、くぅ」 首を振る征司から涙が飛び散る。苦しげに頭をのけぞらせて、首の骨が折れるのではないかと心配させるくらいだった。 「あのさ、お兄さんを上にしてやれば?」 和樹の提案に頷き、朋章は繋がったまま仰向けに上体を倒して征司を上に跨らせた。征司は逃げようにも腰を朋章の両手に掴まれ、上から肩や腕を和樹と宏信に押さえ込まれて果せない。そのまま朋章が突き上げてくる。 「はあッ!!」 中に信じられないような刺激を受けて、征司のペニスがいきなり勢いよく勃ち上がった。 「う」 ギュッと締めつけられて朋章が低くうめく。痛みではなく強烈な快感を与えられて、半開きの征司の口元から唾液がこぼれていた。 「あああ」 征司の様子に気づいた朋章は、そこを中心に責め始めた。 「は…、そこ、ダメだ。朋章、やめて」 泣き声をあげながらもかつてない快感に踊らされた征司は知らず自分から腰を振り始めていた。朋章が応えるように何度も突き上げる。 「あ、そこ、そこが…、ふ…、ん、んん、んっ、んっ、や、いやだよぉ」 涙なのか、汗なのか、征司の前髪から、水滴が飛ぶ。 「すっげー、朋章。練習台になった千里ちゃんや由希もきっと感激するぞ、お役に立てて嬉しいわってな」 ごくりと唾を飲み込んで、征司の痴態を凝視しながらも、揶揄することを忘れない宏信に、朋章は征司を責める腰を休めずに舌打ちした。 「バカ、余計なこと言うな…。は…、でも俺、も、ダメかも…」 小さく呟き、ややあって朋章は一度達した。 「あああ」 体内に朋章の迸りを受けた征司が切なく声をあげる。朋章は少し息を整えた後、抜き取らずに再び征司を仰向けに押し倒した。勃ち上がったままの征司のペニスを愛おしそうに撫で、腰を使い出す。征司の中ですぐに朋章のペニスは力を取り戻した。 「はあッ、は…、は。と…も、朋章ぃッ。俺、おかしくなるっ、助けっ、や、とも…」 呂律の回らない舌で、征司は意味をなさない台詞をうわ言のように口走った。すでに和樹も宏信も手を離していたが、逃げることなどできるわけがなかった。朋章は両手を征司の胸において、膨れ上がっていた乳首も責め始めた。 「征司くん、感じる? ね、イイ? ここ、でしょ?」 「やぁ、あ、は、ひ…」 力強く打ちつけられる腰に翻弄され、征司の台詞はもう言葉にならなかった。朋章の動きに合わせて、ただ喘ぎ続ける。 じきに声も出なくなり、ヒィヒィと喉を鳴らしているばかりになっていた。 やがて一度大きくカハッと咳をして声を取り戻した征司は、朋章の名を叫び、全身を強張らせた。そのペニスから精が吐き出される。 「あああああ」 その瞬間にギュウッと締めつけられた朋章も再び征司の中に放った。 やがて満足げなため息とともに朋章は身体を起こした。ようやく朋章のペニスを抜き取られて征司がふーっと大きく息を吐いた。その目から涙が溢れ出す。 「あぁ…、あっあっあ」 すべてが終わった安堵のためか堰を切ったように泣きじゃくる征司を朋章が抱きしめた。 和樹と宏信はそっと立ち上がった。 「はー、終わったな」 「風呂借りて、そのまま帰るから」 「うん、ありがとう」 征司の髪を撫でながら答えた朋章に片手を上げて、二人は部屋を出て行った。 「ごめん。征司くん、ごめん。好きだよ。俺、本当にずっと征司くんが好きなんだ」 朋章はとめどなく流れる征司の涙を吸い取りながらキスをくり返した。 |
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