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翌日



 目が覚めたら、ひどく喉が渇いていた。身体がおかしな具合に痛い。そして横向きに寝ているぼくを抱え込むように背中に回された腕。腕? 目の前に拡がる肌色は、ようするにその腕の持ち主の胸で、視線を上に向ければ、顔があった。
 岡野佑一。
 平和そうに眠っている男の名前を思い出したところで、ぼんやりしていた頭がようやく回り始める。馴染みのない天井に視線を移し、昨夜の記憶がはっきりしてくると、頭がずきずき痛み出した。身体的なものか精神的なものか微妙なところだ。
 昨日初めて知った奴と、それも男と、してしまった。と言うよりは「やられた」というのが、ぼくとしては正直な気持ちなんだけれど。年下の男に抱かれたという事実は、けっこうキツイ。
 どうしよう。
 カーテンの向こうの気配から察すると、まだ早い時間のようだったが、とりあえず起きるしかないと思い、身体に掛かった腕を外そうとしたら、岡野がぱっと目を開いた。ぼーっとした顔で、ぼくの身体から腕を外し、少しの間自分の手の平を眺めていたかと思うと、その手をぼくの顎にかけ、軽くキスしてきた。どうやらそれは無意識の行動だったらしい。すぐに「木田?」と、やや不審そうにぼくの名を呟いた。
「木田」
 もう一度、確認するようにぼくの名を口にして、岡野はにっこりと笑った。
「木田」
 三度目。バカか、こいつは。思わず眉を寄せたぼくに今度ははっきりとキスをする。
「身体、大丈夫か?」
「大丈夫なわけないだろう」
「見せてみ」
「お前、バカ」
 抱え込まれそうになって、慌てて手を突っ張った。
「いいから。シャワー貸りるぞ」
 起き上がって、床に直接寝ていたことに気づいた。ガラステーブルの上の空き缶はともかく、散乱したティッシュが、いかにもな感じでうんざりした。慣れない感覚に足がふらつく。
 熱めのシャワーを浴びて、どうにか気分を変えられたかと思ったのに、出て行った途端、岡野が待ち構えていて、顔じゅうにキスを落としてきた。
「やめろ」
 邪険に手で払っても、少しも気にする様子はなく、最後の一つとばかりに頬に唇を押し付けて、
「俺もシャワー使うからさ。コーヒー出来てるから飲んで待ってろよ」
 と台所の椅子を指差した。
「ありがとう」
 仕方がないから礼を言ったら、岡野はちょっと目を丸くして「どういたしまして」と応え、軽く笑みを浮かべ、鼻歌まじりに浴室へ消えた。
 食器棚から適当なカップをとって、コーヒーを注ぐ。ぼくはこんなところで何をしているんだろう。何をどう考えていいかもわからなくなり、テーブルの上の新聞を手に取った。一面から適当に記事を拾っているうちに、岡野が出てきた。自分のコーヒーを手にして、ぼくの向かいに座る。
「なあ、今日休む?」
「は?」
 思いがけないことを訊かれて、ぽかんと見返すと、岡野は口ごもった。
「その、身体、痛いんだろ?」
「休めるわけないだろう。得意先との約束だってあるし」
 そういえば昨日の報告書も作っていない。
「そっか。木田が休むんだったら、俺も有給使おうかと思ったけど」
「突然休んだりしたら周りが迷惑するだろ」
 どうもこいつには社会人としての自覚が希薄な気がする。同じ会社の先輩として少しは説教したくなった。
「木田って真面目だな」
 岡野はまるで感じていないようで、おかしそうに笑ってみせる。トーストだけの朝食のあと、昨日と同じYシャツにネクタイを着けようとすると、岡野が止めた。
「ネクタイは貸してやるよ」
「いいよ。どうせ誰も見てないし」
 首を振ると、岡野はわざとらしく呆れた声を出した。
「バッカだな。見てるよ。川合とか、よく話題にしてるぜ、木田の恰好。二日続けて同じの着けてったら、絶対噂になるぞ」
「まさか」
 思わず苦笑したが、岡野は自分のネクタイを無理に押し付けてきた。
 一緒に岡野のアパートを出て、駅が見えてきた途端、嫌な気分になった。通勤ラッシュ。昨日の朝が蘇る。あの電車に乗りさえしなければ。思わず隣の岡野の顔を見上げた。乗り込んだばかりはまだ少しは余裕があったのに、岡野はドアの脇でぼくを抱き込むような位置に立った。そして車内が混んでくると、わざわざぼくの顔を覗き込んで「木田、大丈夫か?」と声をかけてきた。
「大丈夫だよ」
 そんなふうに気遣ってもらう必要もないので、困惑して返した。会社に着くと別れ際に岡野は「電話するから」と言った。ぼくは表情の選択に迷って、曖昧に頷いた。
 岡野はどういうつもりなのだろう。ぼくと寝たことをなんとも感じていないのか。ぼくの気持ちの上では、あいつは加害者で、謝罪の言葉の一つもあってしかるべきという気がするのだが。

 午前中に一つ約束があり、終わって会社に戻ると、ちょうど昼休みで、ぼくの席には総務の女の子が座って、川合さんと談笑していた。よく一緒にいるところを見かけるから、彼女も川合さんや岡野と同期なのだろう。部屋に入ってすぐそれを認めて、入り口近くの空いている席を使おうとすると、女の子たちは目ざとくぼくをみつけて声をあげた。
「あっ、木田さん。ごめんなさいっ」
 慌てて席を立つのを「いいよ」と止めたが、駆け寄ってきてぼくの机に引っぱって行く。
「座ってください、木田さん。他の席もちゃんと空いてるんです。私、この椅子に座ってみたかっただけなんです。木田さんのファンだから」
 屈託のない口調でそんなことを言われたので、苦笑してしまう。
「今日もかっこいいですね」
 にっこり笑顔を向けられ、元気な子だなあと思ったら、女の子が「あれ?」と声をあげた。
「そのネクタイ、開発の岡野くんと同じですね」
「え?」
 思わずぽかんとした顔になった。
「やだ、ショウコってば、岡野くんのネクタイまでチェックしてるの?」
 川合さんがおかしそうに言った。
「うーん。だって岡野くん、あんまりネクタイしてこないんだもん。たまにしてると目立つんだよね。…と言うのは、建て前で」
 女の子はいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「岡野くんのそのネクタイを買うのに、私、付き合わされたの」
 川合さんが「ああ」と頷いた。
「岡野くんの彼女、ショウコの友だちだもんね」
 彼女? つい眉をひそめてしまったが、女の子は気にする様子もなくぼくに言う。
「でも木田さんのが似合ってますよ」
「はは、ありがと」
 乾いた笑いを洩らして、ぼくはその場を離れた。岡野の野郎、あいつのネクタイを借りたほうが余計なネタを作ることになったじゃないか。それよりも彼女、だって? 恋人からのプレゼントをあんなことをしたぼくに貸すっていうのは、どういう了見なんだ。

 午後は直帰の許可をもらって外回りに出た。最後の訪問先が予定より早く終わり、本当なら近くにもう一ヶ所寄るべきところがあったが、ひどく疲れていたので、約束をしていないのをいいことに勝手にキャンセルにして、定時前にあがってしまった。先週の金曜に実家に戻ってから、ずっと自分の部屋に帰っていなかった。玄関を入ると、知らず大きなため息をついた。
「あー、もう疲れたァ」
 わざと大声で独り言を呟く。何よりも先に風呂に入ることにした。シャワーじゃなく浴槽にお湯をためてゆっくり浸かりたかった。会社の独身寮になっているこのアパートのよい点は、ユニットバスではなく風呂が焚けることだ。あんなことをして、自分の身体がどうなってしまったか、ひどく不安があった。お湯がしみたりはしなかったが、風呂の中で手をやりかけて、やっぱり怖くて触れなかった。
 風呂から出て、夕食を食べ始めたところに携帯が鳴った。
―木田?
 岡野だった。
―今、どこ?
「自分の家だけど」
―へえ。今日はずいぶん早いんだな。先刻から電話してたのに。留守電、聞かなかった?
 どうやら風呂に入っている間に鳴っていたらしい。
「ごめん、気づかなかった。何?」
―ネクタイ、返してもらおうと思って
 今日借りて、もう返せと催促するのか。勝手な奴だと思ったが、仕方がないので頷く。
「ああ、うん。明日渡す」
 恋人からのプレゼントなら早く取り戻したいのも道理なのだろう。よりによってどうしてそんなのを貸してきたのかがわからない。
―…うーん。そうか、もう家にいるんだな?
「うん、悪いけど、明日会社で渡すから」
 そう言って切った。ついでにそのまま留守電をチェックした。
―岡野です。まだ仕事ですか? 食事を一緒にしようと思って。
 ため息。あんなことの後で、食事に誘われたってなあ。岡野は、どうにもぼくには理解不可能な男だった。なんであんな奴と関わることになったのか。


 のろのろと夕食をとり、他に何もする気になれないので、早目にベッドにもぐり込んだ途端、チャイムが鳴った。嫌な予感がした。こんな時間に訊ねてくるような人間に心当りはない。そして予測不可能な行動をする人間を一人だけ知ったばかりだ。
「まさかだろ」
 布団をかぶったまま呟く。もう一度チャイムを鳴らされ、しぶしぶ玄関まで出た。ドアスコープを覗いて、ドアの向こうに立つ長身を確認した。やっぱり。チェーンをかけたままドアを開けた。できるだけ不機嫌な声を作る。
「どうして、ここがわかったんだよ?」
「総務に寮の場所を聞いたんだ。で、下の郵便受けで木田の部屋を確認してきた。…なんだよ、チェーン外せよ」
「悪いけど、ぼく、もう寝てたし。ああ、ネクタイは持ってくるから」
「ふざけろ。ここで追い返すつもりなのか」
 怒った声で岡野が言うので、困ってしまった。
「騒ぐなよ。周り、会社の人なんだぜ」
「部屋に入れてくれたっていいだろ。なんでダメなんだよ?」
「なんでって…」
「俺、入寮希望してるって言っただろ。もしかしたら部屋が空くかもしれないって聞いたんだ。その前にどんな感じなのか確認したいから、見せてくれよ」
 そんなことを言い出した岡野をおとなしく帰らせる方法が、ぼくには思い浮かばなかった。
「わかった」
 仕方なくそう答え、いったん閉めてチェーンを外し、ドアを開けると、岡野は嬉しそうににっこり笑って、入ってきた。
「へえ」
 物珍しそうに見回す岡野の先に立って、ぼくは一気にまくし立てた。
「ここが台所。こっちが風呂とトイレ。部屋は二つ。もう、いいだろ。眠いんだから、帰ってくれよ」
「つれないこと言うな」
 当然のように抱きしめられた。
「ば、バカ。何すんだ」
 慌ててその腕から逃げ出し、ネクタイを取って、差し出した。
「お前、ちゃんと彼女がいるんだろう! このネクタイ、彼女からのプレゼントだって」
 そう糾弾すると岡野はぼくの目を覗き込んだ。
「誰に聞いたの?」
「そんな恋人がいるのに、どうしてぼくにこんなことするんだよ」
 きつく睨みつけたが、岡野はしれっと嘯いた。
「あいつとは別れるよ。俺は木田のことが好きになっちゃったんだから、もうどうしようもないんだ」
 真っ直ぐな目にとまどって、思わず視線をそらして俯いた。
「…どうして、わざわざ彼女からのプレゼントなんか貸したんだよ?」
「うーん、これだったんだっけ。俺、自分で買ったネクタイって、リクルート用しかないからさ」
 へらへらと能天気に笑う、その無神経さに呆れて言葉もなかった。岡野は再びぼくを引き寄せた。
「身体、大丈夫か? 昨日の今日じゃ可哀そうな気もするけど、慣れるには間をおかないほうがいいらしい」
 軽いキスの合い間に信じられない台詞。
「おい、待て」
 慣れるって何にだよ? どうして慣れる必要なんかあるんだ? 訊こうにも降り注ぐキスが邪魔をした。
「俺もパジャマ姿なんか見ちゃうと、ちょっとな」
 パジャマの上着の裾から、岡野の手が入ってきて、直接肌に触れた。背骨を辿り、肩甲骨をなぞる。
「やめろよ」
 身をよじるぼくを、岡野は器用に押さえ込んで、耳に息を吹きかけるように囁いた。
「昨日は夢中だったけど、今日はちゃんとやるから」
「ちゃんとなんか、やらなくっていいっ!」
 叫ぶぼくの口を岡野の唇が塞いだ。斜めに深く口づけて舌が入ってきてぼくの舌に絡まる。息苦しくて喘いだ。岡野の左手が背中を撫でまわし、右手がぼくの腰を抱え込むようにして下半身を押し付けてきた。
「いや、だっ」
 胸の間で突っ張った手は平然と無視された。そのまま無理やりベッドに引きずって行かれる。
「やめろっ、岡野。いやだ」
 ダダをこねる子供みたいなみっともない抵抗。逃げ出そうとしてつかまれた手首が痛い。必死で足を踏ん張っていたのに、気づいたらベッドの上だった。押さえ込んだ岡野が困った顔をしてみせる。
「俺、木田のこと好きなんだよ。だからちょっとだけ我慢してくれ」
「なんだ、それっ」
 言っている意味がわからない。体重をかけられて動けなくなったぼくのパジャマを岡野が脱がす。
「岡野!」
「黙って」
 妙に優しい声で岡野は囁き、口づけてきた。お前、絶対間違ってるぞ。ぼくは、職種は違っても仮にも同じ会社の先輩なんだからな。言うべき言葉が岡野の口に吸い取られる。
「…はぁ」
 ようやく岡野の口が離れたときには、甘ったるいため息が洩れただけだった。唾液が糸をひく。濡れた下唇を岡野の親指が押さえつけ、手の平が頬を覆う。右腕が自由になるのに、うまく抵抗できなかった。まるで支えるみたいに岡野の肘をつかんでしまう。
 岡野の唇が首筋をつたい、鎖骨の辺りを強く吸った。左手はぼくの肩を押さえ、右手が背中の下に入る。左胸に歯を立てられ、声が洩れた。嬲るように舌が這う。自分の息遣いが荒くなるのがわかった。
 岡野の唇はどんどん下に降りて行き、とがらせた舌を臍に差し込まれた。
「あああっ」
 なんともいえない感覚が背筋を走って、悲鳴に近い声をあげてしまった。すでに誤魔化しようのない兆しに触れられ、羞恥に顔から火が出そうだった。いきなり、それに岡野は口をつけてきた。濡れた熱い感触。追い立てられ、涙か汗かわからないもので目の前がかすんできた。
「ふ…、や、やめろっ。岡野、岡野っ」
 どうしようもなくて、岡野の髪をぐしゃぐしゃとかき回す。つと岡野は顔を上げた。
「俺、うまい? こんなことすんの、初めてなんだけど」
 答えようもなくしゃくりあげると「なあ?」としつこく問い詰めてくる。
「今までの恋人と較べたら、どっちがうまい?」
 口に人差し指を差し込まれ舌を押さえられた。必死で首を振る。
「知らなっ。こ、こんなの、されたこと…」
 ぼくが今まで付き合ったことのあるのは、どちらかといえばかなりおとなしい子で、手でさえ触られたことがないような気もする。ぼくの言葉に岡野は嬉しそうに笑った。
「ふーん。じゃあ、俺だけ? 木田のこんな表情見たことあるの」
 あまりの屈辱に唇を噛み締めると、岡野の舌がすうっと裏側を舐めた。息を吸い込んだら喉が「ひくっ」と鳴った。後ろに指が入ってくる。
「ダメだっ。岡野、よせ」
 慌てて、岡野の胸に手を当てて突っ張ったが無駄だった。中に入った指に翻弄され、すぐに抵抗する力など出なくなった。
「あ、あ、あ。も…、もう、もうイヤだっ…イヤだ、岡野」
 きつく閉じた目尻から涙が伝うのを感じた。
「いいな。そういうふうに名前呼ばれるの、すごくいい」
 耳元で囁きながら、岡野はぼくの足を抱え上げた。
「ほんとはさ、後ろ向きにやったほうがラクなんだって。でも俺、木田の顔が好きなんだよ。だから、ごめんな」
 何が「ラク」なんだ。何が「ごめん」なんだ。そう罵る余裕もなかった。
「岡野、岡野、岡野っ」
 もう何のためにその名を口にしているのか、自分でもわからなかった。岡野が中に入ってくる、その感覚だけに支配されていた。突き上げるように岡野が腰を使う。
「や、あ、あ、…っ、…っ」
 やがて声が出なくなり、しゃっくりのように浅い呼吸をくり返すのが精一杯になる。もどかしいような感覚に、岡野の腕と言わず肩と言わず爪を立てた。
「もうダメだ…どうにか、どうにかしろっ」
「木田、俺のこと好きって言ってみて」
「ば、ばかやろ…。ふ、あ…、やっ」
「まだ足りない?」
 何が? 訊くこともできず、わけがわからないまま首を振った。
「俺、ちゃんとやってるだろ? 好きって言えよ」
「す…、好きだ、岡野、好きっ、だから、も…」
 夢中で涙ながらに訴えたぼくに、岡野が口づけてきた。唾液を飲まされる。岡野の動きが一気に激しくなり、ぼくは耐え切れなくなった。
「んんんっ」
 つかんでいた岡野の手首を握りしめ、ぼくが放つと、すぐに岡野も達した。汗と涙と唾液が混じり合って、顔中が濡れていた。ようやく息がつけるようになると、ぼくはよろよろと起き上がった。
「どうしたんだ?」
「…シャワー」
「大丈夫かよ?」
 誰のせいだ。差し出された手を振り切って歩き出したが、真っ直ぐに進むことができなかった。岡野の腕に抱え込まれ、目元にキスされる。
「責任もって、手伝ってやるって」
「バカタレ」

 シャワーを浴びている間に、岡野は再び愛撫を始め、結局そのままそこでしてしまった。浴室のせいで増幅された息遣いが、羞恥だけでなく昂奮を誘った。
「好きだ、木田」
 何度も囁かれ、キスを受けた。抱き合っているうちに、このまま流されてしまってもいいような気持ちになった。ぼくより年下の男。しかも常識の欠片もなさそうな奴。それでもそんな岡野がひどく自由に思えた。好きだと言わされ、暗示にかけられたのか。
 翌朝になってもその気持ちはしつこく残っていた。当たり前のようにぼくの身体に腕を回して隣に眠っている岡野。無防備なその寝顔に小さく呟く。
「ぼくも好きかもしれない、岡野のこと」
 眠っているとばかり思った岡野は、その瞬間ぱっと目を開けた。「そうだろう?」と言いながらキスしてくる。呆気にとられたが、負けじとぼくはすぐに立ち直ってみせた。
「ただし、次は週末までダメだ。こんなことしてたら仕事にならない」
 岡野の顔にびしっと指を突きつけ宣言すると、了解したとも思えない表情で岡野は囁く。
「木田って真面目だな」



END





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